<北海道W08>
- Sony ILCE-7RM3 , Sony 16-35ZA
- f/7.1 , 352sec , 16mm , ISO100
- 2023年1月9日 21:47
- 北海道 美瑛町
晴天の夜空に流れる星と一本木とのコラボはとても魅力があります。でも、流れる雲がかかった夜空とのコラボにはより一層の魅力を感じます。
北国の冬は雪雲に覆われることが多く晴天率は高くありません。
でも、吹雪いているかと思うとパッと星空が現れる・・北海道あるあるです。
雪予報でも諦めずに撮影に出かけると、思いがけないチャンスが訪れることも珍しくありません。
この写真を撮った夜も天候は雪。でも、撮影地に着くと雪雲のすき間から星が見え隠れしていました。
雲が途切れた数分間、2台のカメラを急いでセッティングし撮ったなかの一枚です。
撮影方法
撮影のタイミング
大雪直後の晴天(雲の有無は撮影者の好み)
雪景色にたたずむ一本木。とても幻想的な光景に思えます。でも、
雪の多い北海道とはいえ、冬ならいつでも良いというわけではありません。
当然ながら、雪があること。そして
雪原が乱れていないことが前提となります。
道内でも比較的、積雪の多い美瑛エリアですが、1月や2月でもアスファルトが見えるほど積雪の少ないタイミングも珍しくありません。
天気予報や現在の天候をチェックすることで、撮影チャンスを活かすことができます。
こちらのYoutubeでは日々の天気状況を発信していますのでチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/@zekkei-nippon/videos
また、積雪があれば、いつでもきれいな雪原が見られるわけではありません。
除雪により前面の道路の雪が周囲に吹き飛ばされることで雪原が乱れることが多いからです。
タイミングとしては、大雪の直後の晴天、そして除雪が入る前がベストな撮影機会となります。
撮影機材について
- デジイチ(デジタル一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ)
- 三脚
- レリーズリモコン
- モバイルバッテリー(給電撮影が可能な場合)
カメラ
2010年以降に発売されたデジイチであればどのような機材でも良いと思っています。
f値の明るさや高感度耐性はそれほど重要ではありません。
ポイントは厳寒地での長時間撮影耐性。
12月~3月上旬の美瑛エリアは氷点下20度を下回るほど気温が下がることも珍しくありません。
そのような中でバッテリーの消耗を抑え、またカメラが不調をきたさない配慮も必要となります。
三脚
三脚についてはなんでも構いません。強いて言うと販売価格で1万円以上の三脚であれば不足はないと思っています。
個人的にはできるだけ軽量でコンパクトな三脚がおすすめです。
レリーズリモコン
夜間撮影の場合は長時間露光撮影が主体となるため、レリーズリモコンがあると便利です。30秒を超える長時間露光の場合は必須となります。
レリーズリモコンは有線タイプと無線タイプがありますが、準備ができるようであれば無線タイプがおすすめです。
モバイルバッテリー
給電しながらの撮影ができるカメラの場合はモバイルバッテリーがあると便利です。詳細へジャンプ
そのほかの機材
レンズヒーターや機材の防寒対策は下記を目安に検討してください。
30分以内の撮影なら不要
30分以上1時間以内なら検討
1時間以上なら必要
私は数種類のレンズヒーターと数えきれないほどの機材防寒用品を揃えてきましたが、現在はほぼ使うことはありません。
機材防寒用品で唯一持ち歩いているのは、100円均一で購入した腹巻くらいです。これは極寒&吹雪の際、カメラをくるむために持ち歩いています。
先日は氷点下23度の深夜、2時間の定点撮影を行いましたが、ヒーターも防寒もなく撮影を終えました。
参考までにこの時に持って行った機材は
・Sony α7Ⅲ
・Nikon D750
※撮影機材によっては防寒対策が必須となる場合もあります
撮影方法について
月齢や星の有無、環境光の強弱にもよりますが、まず3~5分程度の露光で試し撮りをしてみる事をおすすめします。
長時間露光の撮影に慣れてこれば、撮影地の状況である程度の露光時間をイメージできるようになります。
カメラの設定は次を参考に試してみてください。
- マニュアルモード
- ピント合わせは周辺の星や電灯などを利用
- f値は7前後からスタート
- 感度はISO100からスタート
- ホワイトバランスはオート
- 露光時間は3分からスタート
試し撮りを重ねて設定を見直しながら撮影をすすめます。
防寒対策について
厳寒地での撮影で注意したいことはつぎの3つです。
- 機材の防寒対策
- 撮影者の防寒対策
- 機材の結露対策
機材の防寒対策
※ここでは私の所有しているα7系の機材を前提に記載しています
1月上旬、夜の美瑛町は氷点下20度を下回ることも珍しくありません。厳しい寒さの中での長時間露光撮影ですが、カメラ機材は意外と平気で露光を続けてくれます。特に防寒対策は施さずに三脚にセットして撮影できます。
バッテリーの持ちも特別減りが早くなることもありません。でも、予備電池とモバイルバッテリーは必ず携帯しています。
気温や湿度にもよりますが、30分程度の放置であれば、霜の問題もなく撮影を進められています。
モバイルバッテリーは、電池容量以上にコンパクトさが大事です。長丁場の露光撮影時やバッテリー容量が減った際の給電にモバイルバッテリーは欠かせません。使用時は三脚まわりにモバイルバッテリーをぶら下げるか固定して使用することになります。コンパクトなほどハンドリング性は向上します。
容量は10,000㎃程度で十分なので、よりコンパクトなモバイルバッテリーがおすすめです。
※モバイルバッテリーを選ぶ際は「PSE対応」の製品を選んでください。
撮影者の防寒対策
最大のポイントは、撮影者の防寒対策だと思っています。
長時間露光での撮影では撮影条件によっては数時間にもおよび同じ場所で撮影をし続けることも少なくありません。
上半身は防寒用のインナーとアウターの組み合わせで割りとどうにでもなりますが、下半身・足・手・頭と首、これらは入念な防寒対策が必要となります。
詳しくは別記事を準備中ですが、取り急ぎ足元はこちらをおすすめします。
さらにあると重宝するのが電気カイロです。膝あたりにポケットがある場合は入れておくと体の冷え方が段違いに抑えられます。もちろん使い捨てカイロでも良いですが、ごみが増えることと、コスパを考えると電気カイロがおすすめです。
電気カイロ
結露対策
冷えた撮影機材を暖かい車内に持ち込むと、とたんに機材は結露してしまいます。カメラ内部が激しく結露すると故障やトラブルに直結します。対策は次の2つです。
- 車内の温度を外気温に近づける
- 機材を入念に防寒具で包む
車内の温度を外気温に近づける
私は撮影中や待機中は基本的にエンジンを停止した状態なので、車内の温度は外気温に近い状態です。これなら結露の心配はありません。
機材を入念に防寒具で包む
撮影中や待機中に寒くて我慢ができないときには止むを得ずエンジンをかけて車内を暖めることもあります。その際は、機材をビニール袋や巾着袋など袋状のものに入れて車内に持ち込みます。その際、袋状のものはできるだけ密閉し、機材が外気温に近い状態をキープできるようにします。
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