山頂に帽子のような雲がかかった富士山を見たことのある人は多いと思います。
このきれいな雲は、「笠雲(かさくも)」と呼ばれる気象現象です。「傘雲」「レンズ雲」などとも表現されることがあります。
※当サイトでは「笠雲」に統一して表記しています。
今回は、笠雲がどのように作られるのか、いつ見られるのか、どうやって撮ればいいのかをご紹介していきます。
笠雲とは
まるで山が「かさ」をかぶったように見えることから「笠雲」と呼ばれていますが、笠雲は富士山特有の気象現象ではありません。
山々が連なる連峰でも見る事ができます。
しかし、独立峰である富士山は笠雲が発生しやすい条件が揃っているため、見られる確率が高いといえます。
笠雲発生の詳しいメカニズムは気象サイト等をご覧いただくとして、笠雲の発生条件を簡単に紹介するとこのようになります。
- 湿った空気が大量にある
- 山にぶつかり上昇する
- 上空に強い風が吹いている
低気圧や前線の接近、台風前後には湿った空気が流れ込むため、笠雲が発生しやすいタイミングといえます。
笠雲はいつ・どこで見られる?
発生しやすい時期
笠雲は季節を問わず見ることができます。
私が撮影した写真の撮影月を確認してみました。
1月
2月
3月
5月
7月
8月
9月
10月
12月
発生しやすい時間帯
笠雲が発生しやすい時間帯はあるんでしょうか。
笠雲は3つの条件を満たせば、日中でも夜間でもいつでも見られるます。
明け方
日中
夕暮れ
夜間
低気圧や前線の接近、台風の前後などのタイミングであれば時間帯を問わずに笠雲に出会うチャンスがあります。
笠雲の撮り方
笠雲を撮る際は、特別に注意する点はありませんが、低気圧や前線の接近が影響する気象現象なので、笠雲の後には天気が崩れる傾向がある点は理解しておくと良いかもしれません。
笠雲の後には70%の確率で雨が降るとも聞いたことがあります。
笠雲はあっという間に消えてなくなることもあれば、何時間も見られることもあります。
どちらかというと、一度笠雲が発生すると数時間同じように発生し続けることが多いように感じます。
笠雲がかかっていることがわかったら、慌てずにロケーションの良い場所に移動し、安全な場所でカメラを設置してください。
ワンシャッターで瞬間を切り取る写真も魅力ありますが、可能なら長時間露光で撮ることをおすすめします。
笠雲は常に同じ場所に留まっているように見えますが、実は山頂周辺を姿かたちを変えてゆっくりと移動しています。
長時間露光で撮影することで、より幻想的な笠雲を撮ることができます。
こちらで笠雲の写真をご紹介しています。
笠雲 まとめ
笠雲は低気圧や前線の接近、台風の前後に見られることの多い気象現象です。
季節や時間帯問わず、ある程度は天気予報で発生の予測ができます。
しかし、低気圧や前線の接近と関連していることから、笠雲の発生前後、とくに発生した後には天気が崩れやすくなる傾向があるため、撮影スケジュールに注意が必要です。
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